高岡漆器は、江戸時代の初めに(1600年初め)、加賀藩の藩主前田利長が、現在の富山県高岡市に高岡城を築いたとき、武具や箪笥、膳等日常生活品を作らせたのが始まりです。
結納屋さんで扱われている たまてばこ は、こだわりの高岡塗(高岡漆器)でつくられています。
美しくも温もりを感じられる光沢と感触、格調高いデザインは伝統に培われた技法と職人達によるものです。
木地加工から塗りまで一貫した加工を行い、下塗り、中塗り、上塗りと、塗っては磨く作業を何度も繰り返す事で、「塗膜硬度」「目やせ」など、今までの漆塗りの欠点と言われたイメージを一新した、漆工芸品です。
蒔絵はその初例を正倉院宝物の金銀鈿荘唐大刀(きんぎんでんかざりのからたち)とされており、日本独自の伝統的な漆芸技法になります。
漆器の表面に漆で絵を描き、それが乾かないうちに金属粉を漆に蒔(ま)き定着させ、美しい文様を描く蒔絵は、加飾工程・乾燥工程・磨き工程を幾重にも重ねる事で、立体感のある重厚な文様を描きます。
輪島の蒔絵師による大胆な色使いと、繊細さと美しさを併せ持つ逸品に仕上げました。
「螺(ら)」は螺旋状の殻を持つ貝類のことであり、「鈿(でん)」は金属や貝による飾りを意味しています。
結納屋さん店長(写真左)が持っている貝が、削りだす前のアワビになります。
螺鈿細工には、近年まで厚貝が用いられていましたが、このアワビをより薄く 0.1mmまで貝を削りだす(薄貝)ことにより、様々な色味を再現する事ができるようになりました。
結納屋さんの たまてばこ では、薄貝によって色彩豊かに仕上げられています。
日本では奈良時代の正倉院御物のものが古く、平安時代以降、漆芸の装飾技法として盛んに用いられた漆芸技法。夜光貝、アワビ、その他の貝類を彫刻して漆地や木地などにはめこみ、その上から漆を上塗り、磨き上げることで、螺鈿細工による文様を描きます。