本来、結納品は床の間の前の畳の上に毛せんを敷いて、その上に置くのが正式です。
しかし、近頃の住宅事情などで昔のような本間が減って団地間などの小さい畳サイズの家が増え、和室に十分な広さがないお宅も多くなっています。
そこで、当店では、関西式や九州式などの大きな飾りの場合には、床の間の上に置くことをおすすめしています。
また、本来なら床の間には生け花を置くものでしたが、結納品をひきたたせるためにも、生け花は脇床や玄関に置くほうがよいでしょう。(生け花のほうが結納品より立派だったという笑えない話も…)
同時交換の場合には、結納品を床の間に飾り、結納返しはわき床(または仏間やふすまなど)の前の畳に毛せんを敷いてその上に飾ります。
当日、女性側は床の間におめでたい掛軸を飾り、同時交換の場合は結納返しの品を飾り付けておいて男性側を迎えてください。
上座・下座と、床の間の位置
結納に限らず、お客様をお通しする場合は、上座にあたる席をすすめるのが常識です。
部屋の中で、入り口に遠い側が上座、近い側が下座になります。床の間が左右どちらにあっても、上座と下座の位置は入り口との位置関係で判断してください(図A)。入り口の位置によって上座と下座の判断がつかない場合は、床の間がある側が上座になります(図B)。
結納式のときに座る位置には、本やお店によって様々な見解があります。しかし女性側は会食の準備などで部屋を出入りすることが多くなりますので、床の間がある側だからといって入り口に近い席をすすめては、あとあと落ち着かない雰囲気を先方に与えてしまうでしょう。
上座・下座、つまり男性側と女性側の座る位置にかかわらず、結納品は床の間の前(又は床の間)に、同時交換の結納返しは畳の上に飾るようにしてください。